今日の待ちはこんな感じ。

私が受け持つ場所は中央に2本通し(けもの道)が伸びていて、さらにこの左下に1本通しがあります。
イノシシの出現状況に合わせて少し横移動する感じです。
この場所は包囲網の中間地点に位置する「中猪垣(なかしがき)」と言われる待場で、状況に応じて走り回る感じ。
勢子役は私の待場近くから猟犬を放し、目の前の林道を駆け上がっていくのが見えます。
すぐにイノシシを見付けて起こし啼き。
何度か待場に近付いては鳴き声が遠ざかります。
「勢子長と副長の熟練の犬達を躱しながら上手く逃げているな…」
しかし競ってくれている勢子役と猟犬たちを信じてジッと我慢。
ウォンッ!ウォンッ!ウォンッ!近付く猟犬の啼き声。
「来た…」
静かに安全装置を解除して獲物の出現に備えます。
「一番山裾の通しを進んできているな」
猟犬の啼き声に合わせ、待っている待場を少し下がります。
そして20kgほどの小イノシシ出現!
移動して待機していた場所ではなく、最初に待っていた場所に(涙)!
「くそ、動かなければ真正面だったのに」
そんなことを思っても撃たなきゃ始まらないので
ドカドカッ!と2発発射!!
平然と走り去るイノシシ。
その後を少し遅れて猟犬が追い啼きを上げながら追尾。
「外れたか? 犬も付いているし、とにかく追ってみよう」
待場を動くことを伝え、急いで稜線まで駆け上がります。
途端に
「プギィ~!!」とイノシシの声が木霊します。
「しめた!咬み止めたっ!!どこかに中って半矢になっていたんだ」
弾を受けて半矢になると、逃げるスピードが落ちて犬が追い付いて咬み止めたり啼き止めることになります。
そんな時に大きなイノシシだと交戦して犬が牙で切られることが多くなりますし、小さなイノシシだと苦しませてしまうので、いずれにせよハンターが早く寄って、速やかに決着をつける必要があります。
野ばらの藪をかき分けて近付くと、3頭の猟犬がイノシシを咬み止めています。
「犬が絡んで銃が使えない…」
すぐに銃をその場に置き、ナイフを抜いて近寄ります。
3メートルほどの距離になり、人が近付いてきたことを認識すると3頭の猟犬が一斉に咥えていたイノシシを離して飛び退きます。
「あっ!ナイフしか持ってないから逃がしちゃダメ…」
これは人間が来たから「銃で止め矢を撃ってくれる」と思って避難したのです。
自由になったイノシシは再びチョロチョロと逃げ出します。
追う猟犬。
呆然とする人間。
5メートルほど進んだ場所で再び咬み止め。
再度野ばらをかき分けて近付くと、また猟犬たちはイノシシを離して飛び退きます。
チョロチョロ逃げ出すイノシシと追う猟犬。
現場にいる全ての生命体は真剣そのものなのですが、まるでコントを見ている感じ(笑)。
次は接近する時にナイフをヒラヒラと振りかざし「ほらほら、ナイフしか持ってないから止めていてちょ~」とワンコ達に分かるようにナイフを見せながら接近。
「はいはい、しっかり咬み止めておくから…」
イノシシのタテガミを掴み、刃先を鎖骨の内側に滑り込ませて終了。
「ふう、苦労した…」

(これはふじのお子様の内の一頭、ボブ。追い啼きもしっかり出ているし良い仕事をしてくれました)
この日は20kgほどのイノシシを2頭ゲット。

残念ながら親には逃げられました。
ボブも嬉しそう♪

で、解体の時に「どこに弾が中って半矢になったのだろう?」と調べますが、ナイフとワンコ達の牙の痕跡以外は無傷でした。
私の撃った弾は丸外れという事です(笑)。
今回もワンコ達に援けられました。
シクシク…。
今日も自然の恵みに感謝です。
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そろそろ解体・料理パートも見たいです><
ボチボチアップしていきたいと思います♪