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食べる事と、命をいただく事について考えます。 狩猟、素潜り、釣り、採集、手作り等々

ミツマタの花。今年の猟期も終了。

山の中で咲くミツマタの花。
2023.03.28ミツマタの花2
ミツマタはその繊維が和紙作りなどに使われる植物です。

早春に山の中に可憐な可憐な花を咲かせます。
2023.03.28ミツマタの花1

そして私にとっては猟期の終わりを告げる花でもあります。

私の住んでいる地域のイノシシ・鹿に関しては4か月半だった猟期が6か月(10月15日~翌年4月15日)にも延びました。
(一昔前は3か月だった。増えすぎたイノシシ・鹿以外の狩猟鳥獣の猟期は今でも3か月限定です)

私の所属する猟隊は、基本的に猟期の土日祝日はすべて出猟します。
なので、いくら狩猟が好きだと言っても、半年もの長き猟期の休みをすべて狩猟に捧げるのは厳しいものがあります。

それにもう山菜採りやタケノコ掘りの人や登山客が山入りする季節ですし、「事故防止のために今年はもう終猟」という判断になりました。

妥当な判断だと思います。
何よりも安全が一番大切なことですしね。


私個人的なことを振り返れば、今年は猟犬の卵のイトが来てデビューの年でした。
若犬を仕込むという事はおもしろくもあり、大変なことでもあると改めて思い出した猟期でした。

また、イトの仕込みを通して「身体的な無理が出来なくなった」と感じた猟期でもありました。
山へ行くとたくさんの面白い出来事がありましたが、土日に勢子役として出猟すると平日はひたすら泥のように眠り体力の回復に努める必要がありました。

そのうちヒマを見付けて狩猟で起こった記事をアップしたいと思いますが、いつになるかは分かりません(笑)。


今年の猟期もたくさんの獲物に恵まれました。
猟隊のメンバーは老いも若きも皆が仲良く、ワイワイガヤガヤとすごく楽しかったです。
本当にいつまでも皆さんと一緒に狩猟が出来ると良いなと感じます。

山を知り獲物の習性を知り自然を敬う心を知る。
若きものは長老たちの経験に耳を傾け、元気な高齢者は猟犬の使役や獲物の引き出しに若者の力を頼る。

太古から連綿と受け継がれてきた狩猟という世界は本当に素晴らしいものだと思います。

この四季を持った美しい日本でいつまでも狩猟が出来ることを願って止みません。


今年の猟期も自然の恵みに感謝です。


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誤った認識…

車酔いが酷いイトを山に連れて行くときは1時間近く早起きして、酔い止めの薬を飲ませます。

これがそのワンコ専用の酔い止め薬。
2023.03.09車酔い5
イトの体重だと1錠が1,500円!!ほどにもなりメチャクチャ高価。

しかしまあ
「すぐに猟欲が身に付いて車にも慣れるだろう」
と楽観的に考えていました。


いつもの散歩の時、車に乗せる時の様子はどうなのかというと、他の犬は「ヒャッホーイ!!」と喜んでゲージに入り込みます。
しかしイトちんは「みんなと一緒に遊びには行きたいけれど、酔うから車には乗りたくない…」という感じで、車の周囲をウロウロ。
その頃には条件反射で口からヨダレが垂れ始めます。

「うう、遊びには行きたいけれど車に乗ったら気分が悪くなるからどうしたらいいか分からないの…」
と、最後にはその場にしゃがみ込んで私が抱えて車に乗せることが続いていました。

「このままじゃ本当に車嫌いになりそうだ…」


実際に猟へ連れて行くときには、移動時間もかなりあるし、皆で見切りをして作戦会議を行って、ワンコ達を山へ放つまで結構時間がかかります。

車酔いが酷くなるとケージの中で嘔吐したり、ウンチを漏らしたりします。
イトは何も悪くないし、こればかりは持って生まれた体質なのでしょうがないですね。

なので本当に泣きそうな値段だけど、猟欲が付く前に車嫌いになってもいけませんから高価な薬を飲ませて予防することにしました。
やっぱり可愛がって育てたイトが少しでも楽だと良いな、と思ったからです。


「車に乗ると山へ行って獲物を追いかけて楽しいんだよ!」
と思ってくれれば少しは緩和されると思うのですが、しかし今はまだその段階ではありません。

まずは砕いた薬を「ちゅーる」に練り込んで与えます。
ガツガツと完食し、その他諸々の準備が終了してからイトをゲージに乗せます。

現場に到着すると、ヨダレはアブク状になって酷いけど吐いたりはしていません。
2023.02.09イトデビュー3
「よしよし、薬が効いたかな」


何度か山を走らせ、獲物にも遭遇して少しは野山を駆け回る楽しさを覚えた感じ。
2023.03.09車酔い1
(倒した鹿を噛んでいる図。一番右がイト。真ん中はカヤさん、左モリさん)


それと同時にイトちんに変化が。
いつもと同じように早起きして「ちゅーる」に練り込んだ薬を与えようとすると、プイっと横を向き全く口にせず。

「イト、これ飲まないと車酔いが酷くなってキツイよ」
「絶対にイヤよっ!!それ飲むと気持ち悪くなるもん…」

どうやら「酔い止めの薬を飲む=車に乗ると酔う」と誤った認識がイトの中で定着したようです。

「いやいやいや、これ飲んでいるからその程度で済んでいるんだよ」
なだめすかして飲ませようと試みますが、しかし頑として飲まず。

目先を変え鹿の生肉に埋め込んで飲ませますが、今度はきれいに薬だけ吐き出します。
「お願い!高い薬なんだから頼むよ~」

「だってその薬を飲まないモリ姉ちゃんとカヤ姉ちゃんは平気じゃん! 私が気分悪くなるのはそれを飲むせいに違いないわ!!」
2023.03.09車酔い2
(左よりイト、カヤ、モリ)
とでも言いたげに、頑なに拒否!!

もう諦めてそのまま出発!
その日は大きなイノシシと鹿が2頭獲れ、鹿の1頭にイトもガブリ付くことが出来ました。
2023.03.09車酔い6

「まあ、まだまだ自分の役割も分かってないことに変わりはないけれど、これで少しは猟欲も付くだろう」
前回に続けて獲物を噛ませることができ、少し安心しました。


後は誤った認識が緩和して車酔いが少しでも良くなることを祈るばかりです。


うう、色々あるけれど今日も自然の恵みに感謝です。


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日本一どうでもいい発明をしたのでそっとお教えいたします♪

タイトルの通り、本当にどうでも良いことなのですが、私にとっては革命的な発明だったのでここに記しておきます。


何度かこのブログで書いていますが、鹿を獲るとワンコ用の栄養食として胃袋を持ち帰ります。
2017.11.16トライプ1
グリーントライプという名前で結構な値段で売られています)

オオカミやライオンなどの肉食獣は草食獣を倒すと例外なく内臓から食べ始めますし、ビタミンを補給する貴重な栄養源なのだと感じます。


鹿は解体して最後に胃袋を切り裂き、ザックリと胃の中の内容物である青草を払い落として2重のビニール袋に包んで持ち帰ります。
(栄養成分が抜けるので洗っちゃダメです)

これを切り分けてワンコ達のご飯に混ぜて与えるのですが、これがクサイっ!!
青草を何度も反芻して半ば発酵したような状態なので、独特の匂いがあります。
(歯科衛生士を経験した人は「歯周病の人の歯茎に溜まった膿の匂い」と言っていました…)

最近では匂いにも少し慣れ、解体の時はあまり気にならなくなりました。
しかしながら家でビニール袋から取り出し、切り出しながら与える時に少しでも内容物溶液が手に付着すると、いつまでも匂いが取れず食欲も減退。

トングや割り箸でつまんだり、使い捨て手袋で掴んだりしてカットしていましたが、手は疲れるし青汁が飛び散るしで困っていました。
夕食の時に箸を運ぶ手からプ~ンと胃袋汁の匂いがするんですよね…。


ワンコエサの準備をしている最中に鹿の胃袋の匂いを嗅ぐと「ウキュ~ン!ヒャンヒャン!!」と喜びまくる様子を見ると、「人間が臭いから鹿の胃袋を与えない」という選択肢はありません。

「何か良い方法はないだろうか?」
と、考えた末に行き付いた方法がこれ!!
2023.02.28発見1

2本のキッチンバサミを使って、片方で掴みながら片方でカットする方法です。
この方法だとしっかりと生の胃袋が掴めるし、疲れたら逆の手でカットすることも可能です。

「我ながらなんて画期的な方法を発見したんだ!!」
と思ったのですが、鹿の胃袋をワンコに与えている人は私の周囲にもいませんし、まあ日本中探しても全く役に立たない技術でしょう…。


悔しいのでちょっとブログに書いてみました(笑)。

同じことでお悩みの皆さん、是非この方法を試して感想をコメントしていただけるととても嬉しいです♪


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命を繋ぐ巨大ムカデ

「ん?なんじゃこりゃ!?」
2023.02.26命を繋ぐ1

巻狩りでワンコ達を引き連れて急斜面の山中を競っている最中、見慣れぬもの発見。
まるで巨大ムカデ。

写真を撮影しようとするとワンコ達が獲物を起こしての追い啼き。
「ああ、いかん。こんなことをしている場合じゃないな!」

カメラをポケットに押し込み、急いで現場に向かいます。


鹿3頭ゲット。
2023.02.26命を繋ぐ3
(左よりカヤさん、モリさん、顔が見えないイトちん)

イノシシは留守でしたが、この日はイトも獲物を追いかけ倒せました。
「うんうん、イトに獲物を噛ませてやることが出来て良かった」


一段落ついて車方向に戻る途中に先ほどの場所へ。
「なるほど、鹿の骨かぁ。」

鹿にしてはずいぶん小さく、大きさで言うと産まれたばかりの子鹿という感じ。
よく見たら骨盤や大腿骨部分もあります。
2023.02.26命を繋ぐ2
関節部分が外れやすい前脚や頭蓋骨は動物達に持ち去られたのでしょう。

ムカデの足の様に見えた部分は、肋骨をタヌキやイタチなどの小動物が齧り取って持ち去った感じです。


「何らかの原因で産まれたばかりの子鹿が死んでしまったのか…。
だけどその屍は無駄にはならず、たくさんの動物たちの糧となり次の世代へと受け継がれていくんだろう…」
そんな事を思います。

人間社会では分かりにくいけれど、野生の中ではたくさんの命の物語が紡がれているのでしょう。


「命は命を継ぐ命」
狩猟を始めた頃に、ある人から教えていただいたそんな言葉を思い出しました。


今日も自然の恵みに感謝です。


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イノシシにガブリ付くモリとカヤ!!

冷え込んだある日のこと、カチンコチンに凍って霜で凍てついた地面に、イノシシが掘り起こした真新しいエサを食べた痕跡。
2023.02.16ガブリ付き1
「これは間違いなくこの近くに寝てるぞ!」
ということになり、射手が山を囲みます。


犬を入れるのは親方(若き勢子)と私。
エサの食べ具合から見て、複数頭のイノシシがすぐ近い場所に潜んでいる感じ。

この日、私が連れて行ったのはモリとカヤ。
例のケンカの後、ケガが完治するのを待って敢えて2頭で山入り。
2023.02.16流血2


親方(若き勢子)と私で猟犬を放ち、それぞれが違う山筋を待ち役(射手)が弓(包囲網)を張る方向へ向かって競ります。

すぐにでも獲物を発見して犬が啼き出すかと思っていたのですが啼かず…。
「おかしい。これだけ山中にもエサを食べた痕跡があるし、生足も付いている。いない訳ないんだけど…」

「空山(からやま。獲物がお留守の山)だったか…」
勢子役にも待ち役にもそんな雰囲気が流れ始めた頃、突如静寂が破られギャンギャンと猟犬達が啼き始めます。

急いで寝屋がある孟宗竹の斜面を抜けると、そこは採石場と境界のセイタカアワダチソウやカヤが枯れた開けた場所。
「メチャクチャ冷え込んだからこんな陽当たりの良い場所に寝ていたんだ…」

スラッグ弾を薬室に送り込みながらギャンギャンとワンコ達の啼き叫ぶ方向へと急ぎます。

ギャンギャンという吠え声が少し小さくなると同時に「ブゴォ~ッ!!ブゴォ~ッ!!」というイノシシの声。
ゼイゼイと肩で息をしつつも安全装置を解除して声のする方へと忍び寄ります。


そこで見たものは50kg~60kgほどの真っ黒なイノシシ。
そしてそのイノシシの鼻先と後ろ足に噛み付くモリとカヤ。

我が家のワンコ達はあまり噛み付きに行く猟芸ではないのですが、2頭一緒で気が大きくなり隙を見て噛み付いたのでしょう。

15メートル程の場所から銃を構えチャンスを待ちます。
「犬とイノシシが近過ぎる。それに目まぐるしく位置が変わるから撃てない…」

犬が獲物と絡んでいる時に撃つのは相当に危険が伴います。
脊髄や頭蓋骨など致命傷となる場所でも、大きな骨に命中すると弾が割れて内部から割れた弾が飛び出てきます。
(解体するとそのような傷跡は普通にあります)
肺や心臓など大きな骨を避けて撃っても、貫通した弾が岩やコンクリートなどに跳弾する危険性も大いにあります。

「くそっ!ちょっとでも離れて立てて(啼き止めて)くれたら…」
照準越しにイノシシとモリカヤの格闘の様子を息を潜めて撃てる瞬間を窺います。

イノシシを中心にグルグルと円を描きながら格闘は続きますが、鼻先に噛み付いていたカヤが首を振った瞬間に振りほどかれ、イノシシはそのまま山中へ猛スピードで逃走!!

「待ちの中に戻ったよ! みんな気を付けてっ!!」


親方(若き勢子)のワンコ達も他の獲物を出していたようで、それからは乱打戦。

親方(若き勢子)のワンコ達は35kgほどのイノシシを立ててくれゲット♪
2023.02.16ガブリ付き2

モリとカヤがガブリ付いていた50~60kgほどのイノシシには結局逃げられました。

しかしまあ、1頭だけでも獲れたから上出来です。


ワイワイと皆で解体を終え、山の神様祭りの焼肉。
2023.02.16ガブリ付き3
皆さん正直なもので、美味しいお肉の時はあっと言う間に無くなります(笑)。

モリとカヤがガブリ付いていた話をすると
「それで正解だよ。撃つことだけに執着して犬を撃ったとかいう話はよくある話だ。それが犬じゃなくて猟仲間だったりすると人生終わりだ…」
「近くでもあったんだよ。半矢の獲物に止めを撃ったら、跳弾が猟犬の上顎に命中したって話が…」


いつも楽しい話で終わるのですが、この日は「安全には充分気を付けよう」という話になってお開きとなりました。

しかしまあ、そういった当たり前のことを当たり前に出来る仲間が居てくれて本当に有難いことだと再度思いました。


今日も自然の恵みに感謝です。


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プロフィール

じゃん

Author:じゃん
幼少時より食い意地の張った子供で、今でも野生の動植物を見る時には
「美味いか不味いか?」
が大きな判断基準を占める。

素潜り、釣り、手づかみなど様々な方法にて「タダの食料」を捕獲することに情熱を燃やしています。
2009年より狩猟界にデビュー。タンパク質自給率100%達成なるか!?

E‐mail
capturefood@yahoo.co.jp
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